くすぐりビデオ専門店『とら』がオープンすると知って以来店に行きたくて仕方なかったのですが、東京に直ぐ行くだけの余裕が無く途方にくれていました。丁度その頃私は就職活動の真最中だったのですが、良く考えたら東京本社の会社で最終面接まで行ったら面接は東京で行われると思いました。
そうすれば交通費は先方負担で自分は何の負担も無しに東京に行けるし、周囲も私が東京に1人で行くことを変に思わないし、帰りにとらに寄ることも出来るし、他の東京の有名なビデオ店も行けると考えました。元々東京本社の会社の試験も受けていたのですが、それからは自分が元来志望していた会社以外の行く気もない東京本社の会社も数社受ける事にしました(アホです)。
しかし、これが自分の思惑とは裏腹に最終面接迄進むものの大阪や名古屋で最終面接が多く行われ、おいおいという感じでした。たまたま、内定を貰った会社の内の1社で社長との懇親会みたいなものが東京本社で開かれるということになり、喜んで行きました(汗)
懇親会自体は1時間弱で終了したので、その後すぐにとらのある大久保に向かいました。大久保駅に到着すると、とらオープンのお知らせに載っていた地図を片手に店を探しました。自分の中で勝手にこういう店だろうなあというのを色々想像しながら探したのですが、全然見付けられませんでした。
駅についておそらく40分以上周囲をぐるぐる回ったと思います。それでもどうしてもたどり着けずどんどん自分のテンションが下がってきました。また、それに追い討ちをかけるように、歩き回っている最中ホテル街ぽいところに出てしまった時、スーツを着ていたのもあるのでしょうか、数人の外国の女性に
「お兄さんホテル行こ!」
と声をかけられ無視していたのですが、二人ぐらいの女性にいきなり腕を掴まれて無理やりホテルに連れて行かれそうになり(汗)
「なんちゅうところやここわ、えらいところに来てもうた・・・」
と、辺りのディープな雰囲気も加わって落ち込んでいく一方でした。
結局1時間ぐらい歩き回ってやっとそれらしきマンションの看板が目に入りました。ただ自分のイメージと全然違ったので、少し不安を感じながらも、マンションの奥のほうに向かうとポストがあったのですが、部屋番号を確認すると『とら』という文字が書かれていたので、ホッとしながら部屋の前まで行きました。
明かりがついている雰囲気はしたのですが、念の為ベルを鳴らしました。するとドアが空いて店員の方が笑顔で
「どうぞ」
と言ってくれたので安心して店に入りました。中に入ると、くすぐりビデオ、写真、ビデオの撮影衣装などが1面にあり、私はそれまでの落ち込んだ気持ちが全て吹っ飛んだかのように、興奮して商品を見て回りました。
結局色々悩みながらも、ビデオ4本と、写真を購入しました。その後何度か閉店になるまでにとらさんには寄せて頂いたのですが、1度だけ松下監督に遭遇しました。ビデオ撮影をされた後かする前かは判らなかったのですが、ビデオのままの格好でおられたので、ミーハ-的な気持ちになって興奮しました。本当は声をかけたかったのですが、勇気が出ませんでした。。。
とにもかくにもビデオと写真を購入した後、今度は新宿駅に向かってタイヨーさんや歌舞伎町のビデオ店数店を回って更にくすぐりビデオを二つ購入しました。それ以降私が東京に行った時は上記のお店を一通り回るというのがパターンになりました。
東京のビデオ店はそれまで私が利用していた関西の店と違って、普通のビデオ店でもくすぐりコーナーがある店が結構あったので、
「東京っていいなあ」
と正直当時思いました。。。