大学生活も後半にさしかかる頃、くすぐりブームも下火に向かい始めたのか、雑誌等でもくすぐりビデオ関連の情報を見かけなくなり、又ビデオ店に行っても目新しいくすぐり関連のビデオを見かけなくなりました。
現在と違い情報収集手段は雑誌とビデオ店だけだったので非常に困りました。以前から松下さんの所に資料請求をすればくすぐりビデオのリスト等を送付して頂けるのは判っていたのですが、どのような形で資料が届くのか判らなかったので、実家で生活したこともあり躊躇していました。
たださすがにくすぐりビデオの情報自体が不足してきていたので、いつかは資料を取り寄せようとタイミングを伺っていました。それでもそのタイミングが掴めずに日にちは過ぎていったのですが、大学三年の終わり頃就職活動を開始し、色んな企業に会社の資料を請求し始めました時に、ふとこのタイミングでくすぐりビデオの資料請求をすると、家に多くの会社から資料が届くからそれに混じって目立たないかもしれないと思い、松下さんの所に資料を請求しました。
私自身、一週間ちょっとは資料が届くまで時間はかかるだろうなあと思っていたのですが、それから3,4日後に家に帰宅すると母親が、
「何か面白いというか変わった会社から一つ資料が届いてるで、机に置いといたけど」
と言われました。私は一瞬何の事か理解できなかったのですが、すぐにまさかと思い急いで部屋に向かいました。確認すると大小含め6通ほどの封筒が机に置いてありました。1通ずつ確認していくと、3通目ぐらいに独特な字体(判る方は判ると思いますが)で宛名が書かれた茶封筒がありました。
どこの会社からだろうと思い、封筒を確認すると封筒の下部に松下監督の名前と住所が印刷されてありました。まさに、松下さんの所から届いた資料でした。それゆえ、母親は宛名を面白いと言っていたのかと思いながらもドキドキしながら中身を確認しました。
私が資料を確認して驚いたのが、実は宛名を書いていたのが松下監督本人だと判った時で、わざわざ監督本人が直々にそういう作業をされておられるという事に驚いたのと、実は私自身字は達筆とは言えず、小学校の時は下から数えてベスト3に入ると言われたぐらいだったので、不二子のくすぐり拷問シーンでくすぐりに目覚めたという点で松下監督に親近感を抱いていたのが、独特の字の事でより親近感を覚えてしまいました(松下監督申し訳ございません)。
リストを確認しながら、私自身知らないビデオが何種類もあったので興味をそそっていたのですが、それ以上に興味を惹いたのが、『とら』という日本で唯一のくすぐりビデオ専門店が近くオープンするという資料でした。
私はそんな夢のような店がオープンするんだという興奮で思わず胸が高鳴りました。しかし、当然のごとくオープンする場所が東京だったので、
「くそー、東京住んでたら直ぐに行けるのにー」
というやり切れない思いを持ちました。しかし、オープンしたら直ぐに行きたいという事がその時点から自分の中で最優先事項になりました。。。